加盟店間トラブルを防ぐ!フランチャイズのテリトリー制と契約書での明記ポイント

フランチャイズ展開において、加盟店間の無用な競争を防ぎ、加盟店オーナーの安心感を高めるために効果的なのが「テリトリー制」です。他方で、独占型のテリトリー制を導入しているフランチャイズ本部はあまりありません。

この記事では、テリトリー制の基本から、設定方法、トラブル防止のポイントまで詳しく解説します。

1. テリトリー制とは何か

(1) テリトリー制とは

ア. テリトリー制の内容

テリトリー制とは、フランチャイズ展開を進める中で、加盟店が営業できる地域(営業権)を明確に区切る制度を指します。
これにより、加盟店同士の過度な競争を避け、売上確保・ブランドイメージ維持に貢献します。

イ. テリトリー制の例
  • A店は半径3km以内を独占営業区域とする
  • 同一市内では同業他社・他加盟店を出店させない

(2) テリトリー設定方法の種類(独占型・非独占型)

フランチャイズにおけるテリトリー制には、独占型と非独占型の2種類があります。

独占型テリトリー制
  • 指定エリア内に新たな加盟店・直営店を出店しない
  • 加盟店に独占的な営業権を保証する
非独占型テリトリー制
  • 営業地域を指定するが、本部が同エリアに新店舗を出す権利は留保
  • 市場成長に応じて柔軟な出店戦略が可能

(3) テリトリー制に関する実務ポイント

初期段階では独占型を導入し、一定期間経過後に見直す契約設計も有効です。

2. テリトリー制に関するトラブル防止のために明記すべきポイント

(1) フランチャイズ契約書への明記

テリトリー制を設ける場合、フランチャイズ契約書に以下を明記する必要があります。

  • 営業地域の具体的範囲(地名、地図、距離など明示)
  • 競合店舗出店制限の範囲と例外規定
  • テリトリー設定期間(例:契約期間中のみ有効)
項目 記載例
営業地域 地名、地図、具体距離を明示
出店制限 競合他社・直営店出店制限規定
テリトリー期間 契約期間中のみ有効 など

(2) よくあるトラブル

  • 本部が隣接地に直営店を出してしまい、既存加盟店が反発
  • テリトリーが曖昧で、加盟店間トラブルに発展

これらを防ぐため、フランチャイズ契約書における具体的かつ合理的な記載が欠かせません。

3. まとめ テリトリー制で加盟店満足度とフランチャイズチェーン安定を両立しよう

テリトリー制は、加盟店保護とフランチャイズチェーン全体の安定を両立するために非常に有効な仕組みです。
適切な範囲・条件設定を行い、トラブル防止策を事前に講じることで、健全なフランチャイズ運営を実現しましょう。
特に、地方へのフランチャイズ展開や地方発のフランチャイズにおいては、テリトリー制が重要になる場面が出てきます。

当事務所では、テリトリー制を含むフランチャイズ契約設計について、実務経験豊富なリーガルサポートを提供しています。

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